なんでもダウンロードする田中さんの末路
【前回のあらすじ】
LANを抜き、インターネットを断ち、そしてアップデートすら拒否した田中さん。
ようやく反省した彼は、今度こそ正しいPCライフを歩む…はずだった。

前回記事はこちら▶「アップデートを拒否したPCはどうなるのか?」
しかしその方向性は、またしても間違っていた
しかしその方向性は、またしても間違っていた。
「やっぱり更新って大事だよな!どんどんダウンロードして最新にしなきゃ!」
(パロディ版)

開眼期 — 「無料こそ正義!全部入れれば最強!」
田中さんはアップデート拒否から一転、今度は「インストールこそ善」という思想に目覚めた。
「無料」と書いてあるソフトを見つけてはクリック、クリック、クリック。

- 動画ダウンロード支援ツール
- 無料高速ブラウザ
- システム最適化ソフト(らしきもの)
- そして謎の「PCを速くするボタン」
気づけば、ツールバーが10本も並び、
ブラウザの検索バーは「Google」「Bing」「何か知らない会社」が入り乱れていた。
解説
多くの無料ソフトには広告モジュールやサードパーティ製の拡張機能が同梱されています。
「同意する」を何度もクリックするうちに、不要なアドオンやブラウザハイジャッカー(勝手に設定を変えるプログラム)がインストールされてしまうのです。
無料のはずが、実は個人情報や検索履歴を裏で収集する“広告ビジネスの入口、というケースも少なくありません。
異変期 — 「なんか…ずっとウィーンって言ってる…」
ファンが全力で回転し、CPU使用率は100%。
を開くと、見慣れないプロセスがずらり。
• 「CryptoFast.exe」
• 「MinerXHelper」
• 「AdboostService」

ブラウザを開けば広告ポップアップが洪水のように現れ、ついにはマウスカーソルがカクカクと動くようになった。
解説
これは典型的な「PUP(Potentially Unwanted Program=望ましくないプログラム)」汚染状態です。
悪質なフリーソフトの中には、ユーザーのCPUリソースを盗み、裏で仮想通貨マイニングを行うマルウェアも存在します。一見普通に動作しているように見えても、処理能力や電力が奪われ続け、結果的にPCの寿命を縮め、電気代まで上げることになります。
感染期 — 「……お友達、また増えた……」
「トロイの木馬が検出されました」
「スパイウェアが検出されました」
だが田中さんは「大丈夫、これは無料ソフトだから安全なやつ」と信じてアンインストールを拒否。

やがて、
• 自動で開く怪しい広告サイト• メールソフトから勝手に送られるスパム• SNSの不正ログイン通知
が立て続けに起きた。
解説
PUPや偽装ソフトは、内部にトロイの木馬(Trojan)やスパイウェア(Spyware)を仕込んでいる場合があります。
これらはパスワードやクレジットカード情報を盗み出したり、勝手に通信を行って社内ネットワークに感染を広げる危険性があります。
また、感染したPCがボットネット(遠隔操作集団)の一部となり、不正メール送信や攻撃の踏み台として使われることもあるのです。
退場期 — 「田中さん、またやっちゃったね…」
不審なアプリが100本以上、
ブラウザ拡張が50個以上インストールされていた。
セキュリティ責任者は頭を抱え、
机に一枚の紙を貼った。
「この端末、承認なしインストール禁止」

田中さんは静かにうなだれた。

「……だって、「無料」って書いてあったんだもん……」
解説
業務用PCでは、出所のわからないソフトを個人判断で入れるのは極めて危険です。
企業ネットワークでは「承認済みアプリケーションリスト」を設定し、ホワイトリスト方式でしかソフトを入れられないようにすることが推奨されます。
これは、「サプライチェーン攻撃(配布元が乗っ取られてマルウェアが混入するケース)」を防ぐための最も基本的な対策でもあります。
結論:無料ソフトに“タダ”はない
それは、無料ソフトには「対価」が隠れているということ。
LANやアップデートと同じく、ソフトの選び方にも慎重さが求められます。

便利そうに見えても、出所・開発元・レビューを確認し、「本当に必要か」「信頼できるか」を見極めることが大切です。
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近年では、田中さんのように「無料ソフトを入れたらPCが重くなった」「知らないうちに通信していた」など、
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