オフィスネットワークの原点とこれから

「LAN(ローカルエリアネットワーク)」という言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

LANイメージ

LANは、限られた範囲(オフィス、学校、家庭など)で使われるネットワークで、パソコンやプリンタ、サーバーなどの機器同士を接続し、データを共有するための基盤です。
現代のビジネスや働き方において、LANは「当たり前の存在」になりましたが、その歴史や進化をたどると、驚くべき発展の過程が見えてきます。

LANの誕生と初期の歴史(1970〜1980年代)

LANの原型ともいえる技術が誕生したのは1973年。米Xerox社の研究者ロバート・メトカーフが、後に「Ethernet」となる技術を開発しました。

1973年Ethernetイメージ

その後、1980年代に入ると、EthernetはIEEEによって標準化され「IEEE 802.3」として正式にネットワーク規格となります。これにより、様々なメーカーが互換性のあるネットワーク機器を製造できるようになりました。
この時代は、Ethernet以外にも「トークンリング」や「ARCnet」などの技術が登場し、LAN規格の競争が繰り広げられていた時期でもあります。

1990年代:Ethernetの普及とLANの大衆化

1990年代になると、LANはオフィスを中心に一気に普及しはじめます。その立役者が、ツイストペアケーブルと10BASE-T(10Mbpsの速度を持つEthernet)です。

ツイストペアケーブル「10BASE-T」イメージ

パソコンの普及とともに、ネットワーク接続が「特別なもの」から「標準装備」へと変化していきました。
この頃から、WindowsネットワークやNetBEUIなどの技術が導入され、社内でファイルやプリンタを共有する「ローカルネットワーク」の価値が一気に高まりました。
また、LANパーティーという形で、家庭内やゲーム仲間の間でもLANが活用されるようになり、SOHO(小規模オフィス)でもLANが浸透していきました。

2000年代:高速化と無線LANの普及

2000年代には、LANの速度がさらに高速化。

  • 100BASE-TX(100Mbps)
  • 1000BASE-T(1Gbps)

が登場し、今までの10Mbps環境では実現できなかった大容量ファイルの共有や動画ストリーミングも可能になりました。

100BASE-T(100Mbps) 1000BASE-T(1Gbps)イメージ

また、無線LAN(Wi-Fi)も急速に普及し、IEEE 802.11b → g → n と進化していきます。これにより、オフィスや家庭でもLANケーブルを配線せずにネットワークに接続することが一般的になりました。

2010年代:クラウドと10Gbps時代へ

インターネットサービスの中心がクラウドへと移行する中で、LANの役割も変化しました。

10Gbpsクラウドイメージ

データをローカルに置くのではなく、クラウド上に保存し、LANはそのアクセスの「高速な入り口」としての役割を担うようになります。
この頃から10GBASE-T(10Gbps)にも対応したネットワーク機器が登場し、企業の中でもサーバールームやストレージ間の接続に導入されはじめました。
Cat6AやCat7といった高品質なLANケーブルもこの時期に普及し、有線LANの信頼性と高速性が再評価されます。

2020年代以降:IoT・スマートオフィス時代のLAN

  • 防犯カメラ
  • 空調システム
  • 照明制御
  • 各種センサー

といったIoT機器のネットワーク基盤としても不可欠な存在となっています。

IOTイメージ

無線LANはWi-Fi 6、Wi-Fi 6E、そしてWi-Fi 7と進化を続け、速度・安定性・同時接続数が飛躍的に向上していますが、有線LANも依然として安定性・セキュリティ・低遅延の面で根強い需要があります。
特にスマートオフィスの構築においては、LAN環境の整備が非常に重要なカギを握っています。

有線LAN vs 無線LAN:今後の展望

今後のオフィスネットワークは、

  • 安定性・セキュリティを重視する有線LAN
  • 柔軟性・拡張性を重視する無線LAN

の「ハイブリッド型ネットワーク」が主流となると予測されています。

10GBASE-T/有線・無線ハイブリット構成図イメージ

さらに、データ量の増大やクラウド活用の加速に伴い、10GBASE-T(10Gbps)などの高速LANの需要も高まるでしょう。特に、動画編集、クラウドバックアップ、大容量ファイルのやり取りなどを行う法人環境では、有線LANの高速化はもはや必須となりつつあります。
通信品質を保ちつつ、レイアウト変更や拠点間連携を容易にするために、両者を上手に組み合わせたネットワーク設計が求められています。

LANの歴史はITの進化とともに歩んできた歴史

LANの歴史は、まさにITの進化とともに歩んできた歴史です。

時代ごとの課題やニーズに応じて、技術は進化し、私たちの働き方や生活様式を支えてきました。
これからのネットワーク設計においても、過去の技術の変遷を知ることは大きなヒントになります。

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